ランドセル小話2007/02/09

昼下がりに民放を見ていると、よくランドセルのCMがかかっている。今特にシーズンなんだろうと思う。最近目立つのは、体操のおにいさんこと佐藤弘道を起用した「天使のはね」というブランド。佐藤弘道とは、なかなかいい人選だと思う。彼は幼稚園児のお母さんに絶大な人気を誇るからである。でも確か佐藤弘道が起用されたのは最近で、最初にこのブランドが出た頃には、CMには子供しか出ていなかった記憶がある。まぁこれはいい。さわやかで元気系だし、「天使のはね」というネーミングもなかなか光っている。ちなみにメーカーはセイバンである。

セイバン公式サイトのムービー
ttp://www.randoseru.ne.jp/info-tenshi/2007_hiromiti.wmv

しかし最近私は、他のランドセルのCMに注目している。それは「妖精の翼」というブランドのランドセル。いかにも「天使のはね」をまんまパクりましたといった感じのネーミング。いや、そこまではまだいい。このCMが奇妙奇天烈なんである。まぁ百聞は一見にしかず、ぜひ見てみてほしい。

カザマ公式サイト
ttp://www.e-randoseru.com/cm/index.htm

06年と07年の2つのバージョンがあるようだが、子供が1人増えているだけでほとんど変わらない。しかし、なんだろうこのインパクトは。出てくるお姉さんはあまりスタイルがよくなく、振り付けもガニマタだったりして、ウケ狙いなのかなんなのかよくわからない。しかも、しかもだ。カザマのHPを見ていたら、こんなものまで見つけた。

ttp://www.e-randoseru.com/basabasa/index.htm

こ、こ、怖いよう。・゚・(ノД`lll)
公式サイトでムービーまで掲載しているのに、何故壁紙がイラストで、しかも顔が怖いのか。あと3人編とポーズ編の男の子は、一体どんなポーズを取っているのか。人間ができる体勢なのか? また版画にする意味がよくわからないし、欠席編にいたっては存在意義すら疑われる。やはり、ウケ狙い…なんだろうね…。逆にコレをデスクトップにしていたら、同僚や友達にオオウケするかもしれない。いやしないか…。
だけど果たして、ランドセルを買おうと思う若い夫婦や孫に贈ろうとする老夫婦が、このCMを気に入るかどうかが問題なんである。私だったらやっぱり………爽やかなひろみちおにいさんの方がいいけどなぁ(^^;;;

シャーロック・ホームズによせて2007/02/21

1980年代を中心に、イギリスのグラナダTVでジェレミー・ブレット主演のシャーロック・ホームズのドラマシリーズが制作されたのはご存知の方も多いだろう。推理物好きの私は当然NHKで放映されるたびに、楽しみに見てきた。しかしすでにブレットは死去、日本語版の声を宛てていた露口茂は引退しており、古いメンツでの新作は不可能。確か新年あたりにグラナダTVによる新しいキャスティングの『バスカヴィル家の犬』が放映されたのはまだ記憶に新しい。
このジェレミー・ブレット主演によるシリーズは、シャーロキアンと呼ばれるシャーロック・ホームズマニアにも大変ウケがよく、ブレットはもっともホームズに近い俳優と言われているそうだ。シリーズの最後の方はもうさすがに老いが隠せなかったが、青白く聡明だがどこか病的な顔や、きびきびとしてはいるが少し神経質な動作は、まさにホームズそのものなのである。私がちょうど青春時代にこの作品に触れることができ、ホームズ=ブレットという公式を脳裏に刻み込めたことを大変ありがたく思う。
現在Gyaoでこのブレット主演のホームズの『四人の署名』が無料で試聴できる。何回かテレビで見た記憶があるが、久々に見てやはり面白かった。この作品は、ベイカー街少年探偵団は出るし、ホームズの変装や銃の腕前も見れるし、義足の怪人、インドの財宝など、シャーロキアンならずとも楽しめる盛り沢山の内容になっている。惜しむらくは数少ないレギュラーの1人であるレストレード警部の出番がなかったことくらいか。Gyaoはこれからこの『四人の署名』を初め、シリーズ中特に人気の高い4作品を配信するそうだが、最初にこれを持ってきたのもわかるような気がする。
あと3作品はいったいなんだろう。長編となると『バスカヴィル家の犬』や『緋色の研究』になるのだろうが、ホームズの場合短編にいい作品が多い。有名所で『赤毛連盟』『まだらの紐』あたりだろうか。この2本が確定として、あと1本を考えるに、知名度から言えば『踊る人形』もしくは『6つのナポレオン』といきたいところだが、私的には知名度は下がるが『マスグレイブ家の儀式』も捨てがたい。どれも推理小説の基礎となった有名な作品群で、推理ファンならまず読んだ(見た)ことがないという人はいないだろう。…でも全然違ったりしてw
さて、このシリーズは、役者やストーリーだけでなく、19世紀末のロンドンを初めとするイギリスの風景を忠実に再現しているのが見物。もちろんその時代にロンドンにいた経験があるわけではないので、忠実かどうかは正確にはわからないが、ともかく、「現代」を一瞬たりとも思い起こさせないこだわりは素晴らしい。ストリートの石畳を闊歩する馬車の音、テームズ川でチェイスする小型の蒸気船、女性の長いドレス、裕福な家に置かれた時代と歴史を感じる調度品等々。イギリスにも日本の時代村みたいなものがあるんだろうか?と思わせる徹底ぶりである。
まだ見たことがない人は、これを機会にぜひ一度見てみてはいかがだろうか。なお、原作も読んでみたいという方は、以下のHPで翻訳家のタマゴさんが短編を『赤毛連盟』『ボヘミアの醜聞』『緋色のエチュード』(第一部のみ)の3つを、新たに翻訳しなおした作品を読むことができるので、興味のある方はどうぞ。なお『緋色のエチュード』は、古い訳では『緋色の研究』の邦題と同じもの。最初に翻訳された時は、エチュードという言葉がポピュラーではなかったんだろう。
ttp://www.alz.jp/221b/