1月期ドラマファーストインプレッション2009/02/05

●天地人 NHK日曜夜8:00~ (大河ドラマ)
意外と面白い。特に上杉景勝役の北村一輝が、今まで民放で悪役とかクセのある脇キャラとかやってきたあの人が、初恋の人に声もかけられないウブな役を演じてるギャップが面白くてたまらん。まぁこれから成長していくんでしょうけど…。あと阿部寛の上杉謙信かっこよすぎ。なぜか彼は童貞や独身キャラがハマるね…。主人公の兼続も泣き虫なところが面白い。

●キイナ-不可能犯罪捜査官- 日テレ水曜夜10:00~
菅野美穂が警視庁捜査一課の特別班(通称ベッパン)の刑事キイナを演じる。すべて本当にあった出来事を元に創作された、一見超常現象に見える不思議な事件を次々と解決していく。キイナには瞬間記憶能力があり、ある程度事件の真相が見えてきたあたりで、図書館で本を集めまくってそれを短時間で読破し、解決するというのが現在のところのパターン。元恋人の科捜研の職員を、ドランクドラゴンの塚地武雅がやっているのも面白い。

●浪花の華 NHK土曜夜7:30~
前のエントリでも書いたので詳細は省略。

●相棒 テレ朝水曜夜9:00~
これも前から見てるので省略。

●Q.E.D.-証明終了- NHK木曜夜8:00~
MITにスキップで入学した少年が、日本に戻って普通の高校に転校し、剣道が得意で体力なら誰にも負けないけど勉強はちょっと…な少女と一緒に、学校で起きるちょっと不思議な事件から、殺人事件まで、いろいろな事件を解決するという推理物。前も書いたけど、話は面白いのに演技が大根だから困っちゃう。

●歌のおにいさん テレ朝金曜深夜11:15~
手違いで歌のおにいさんとしてテレビ局に採用された主人公が、いやいやながらもそのうち感化され…というサクセスストーリーらしい。今のところ先輩のおにいさんの酷いイジメに合っていて、見ていて鬱憤が溜まりそうになるが、コメディ仕立てなのでわりと気楽に見れる。まぁこれがシリアスドラマ仕立てでも困るが。主人公を演じている大野智は、「魔王」の時とはうってかわって、軽くてすぐへこたれる、よくいるタイプの青年を演じているが、こっちの方が実物に近いからか自然に見えるね。魔王で見せた負の演技も好きだったけどね。また、オープニング曲は嵐ではなく、主人公の名前「矢野健太」で大野が歌っている。わりと上手でびっくりしたぉ( ^ω^ )


視聴率的には、大河を除く今期のみの新番組だと、キイナが頭ひとつ抜けてるっぽい。大河は去年の好調のせいで、例年よりは好発進。このまま20%代をキープしてほしいところ。キイナのデータは2回目までなので、今のところ15%だがこれから落ちる可能性はある。歌のおにいさんは深夜にしては10%を保っているので、まぁまぁといったところ。ただこれもこれから落ちる可能性はあるな。今のとこ鬱憤溜まる内容だから。浪花の華は、主人公が無名に近いキャスティングなのに、がんばって10%前後を保っている。多分栗山千秋で稼いでいる部分も大きいだろう。QEDは元からあまり視聴率がよくなかったが、最近は消費税率割という、ちょっとありえない感じになってきている。どう考えても主役2人のキャスティングミス。あと脚本もよくないのか、不自然さが目立つ。まぁこれからも見ますけどね…。
つうか、今期新番組のドラマって、視聴率マジで低すぎ。平均20%いってるのは皆無、それどころか15%ギリギリ超えてるのが2本あるくらいで、他はすべて10%前後をうろついているという体たらく。もうドラマはテレビ局の看板番組と言えない時代になってきているのか。まぁ、見逃しても関係ないバラエティの方が、気楽に見れるわな。でもこんなんじゃ日本のドラマがどんどん品質悪くなるよ~。実際今期みたいと思ったドラマ、少ないもんな…。
やっぱりドラマはまず脚本ありき、だと思うのね。相棒だって、別に人気のあるゲストを呼んでるわけでもない、地味なキャスティングの回でも20%たたき出してる。もちろん固定ファンが多いからだけど、固定ファンがつくってことはやはり、それまでの内容がよかったってことじゃない? 前期の「風のガーデン」も、確かに緒方の遺作という追い風はあったけど、それは最初の数回だったと思うのね。でもラストにはいい数字出してる。これも脚本がよかった証拠。いろいろ内容については意見が戦わされたようだけど、それにしたって真摯な内容のドラマだからこそ、いろんな意見が出たというふうにも取れる。だからドラマ作る時には、センセーショナルなネタよりも、人気のある俳優よりも、まず脚本を練ってほしいと思うわけ。
あとね、確かにキャスティングは二の次だけど、俳優たりえない芸能人を主役やそれに近い役に起用するのもやめてほしいね。演技が上手なら俳優だろうが歌手だろうがどうでもいいし、端役なら別にかまわないけど、主役はぜひ演技がせめて平均以上できる人にして。今回QEDを見ていて、マジ思ったわ。あと、ただ若い男性の役だからって、イメージに合わないジャニタレを使うのもやめてほしいね。ジャニタレが全部悪いとは言わないし、演技が上手な人だって多いと思うけど、たまにイメージに合わない、演技が素人、事務所のゴリ押しで出れたとしか思えないパターンがあるからね。あれは確実に日本のドラマの質を下げてるな。ジャニタレの場合、演技が下手なだけならまだいいけど、役作りしないからね。
何はともあれ、やっぱり日本のドラマが見たいです。日本人だからね。海外のドラマや映画にも面白いものはたくさんあるけれど、やっぱり習慣や宗教が違うから、なかなか理解できない部分もあるし、言葉の壁はやっぱり大きいよ。その外国で暮らしてたならわかるんだろうけど、あいにく日本でしか暮らしたことなくってね。お金かけれない、しかも不況の最中で、テレビ局も大変だとは思うけど、お金かけたからいいものができるってわけじゃない。ぜひコストパフォーマンスの優れたいいドラマを手がけてほしいものです。

お買い物2009/02/15

今日は世界遺産でタスマニアを楽しんだ後、なんとなく「お買い物」という単発ドラマを見てしまった。老夫婦が主人公の、実に視聴率が取れそうにない地味なドラマだ。ドラマの主人公っていうと、大抵10~20代の青春真っ盛りとか、30代~40代の働き盛りが主人公というのが多いが、最近は少子化してきて若年層が少なくなってきたせいか、団塊の世代以上をターゲットにしたドラマも増えてきた。が、これはさらにその上、団塊の世代の親の世代の話である。
ストーリーは実に単純。ある老人のところにカメラの見本市のDMが届く。足腰が悪くあまり外出してこなかったその老人は、見本市に行きたいがため、散歩を始める。そして孫に会いたいという妻とともに、東京渋谷で開催されたカメラの見本市に行くのだが、そこに出品されていた50年前のカメラに惹かれ、8万円を出して買ってしまい、その日のホテル代も出せなくなったので、一人暮らしをしている孫娘のところに泊めてもらう。買ったばかりのカメラにフィルムをいれ、早速家族の写真を撮る老人。翌日思い出の東京駅で記念撮影をして帰る。最後には老人の遺影の横に、東京駅で撮った記念写真が置いてある。
1時間余りのドラマだったのに、ほぼすべての内容をこれだけで語れてしまう。彼らの時間はすごくゆっくり流れていて、例えば東京に行ってどこか喫茶店に入って何か飲みたいという時に、スタバみたいなとこに入って注文を決めるのにすごい時間がかかり、後ろに長蛇の列ができちゃったりとか、欲しいカメラは最初から決まっているのに、高い値段に迷って会場を4周もしちゃったりとか、その間カメラに興味のない妻はずっと椅子に座って待っているのだが、同じような女性がたくさんいたりとか、老人の視点から見た日常がユーモラスに、そして緩やかに描かれ、台詞もナレーションもないいわゆる行間に、いろいろな気持ちが詰まっているように思えた。
老夫婦を演じたのは久米明と渡辺美佐子なのだが、2人ともちょっとボケて記憶が曖昧になっちゃってるところとか、ドキュメンタリーかと思わせるほどの自然なやり取りとか、長年連れ添った夫婦としか思えないような、円熟味のあるすばらしい演技を見せてくれた。見たところオールロケで、室内も恐らく撮影用の半分壁がないようなセットじゃなく、壁があって撮影するには近寄る必要のあるような環境で撮られていて、それがますますドキュメンタリーっぽく見せるのに一役買っていたと思う。思えばナレーションもまったくなかったように思う。なので、老夫婦を描いたゆったりしたドラマなのに、古臭さとか陳腐さとかはまったく感じられず、それどころかちょっと新感覚のドラマに思えた。
ストーリーの感想。
老夫婦にとって8万円は、決して安い買い物ではなかったし、買ってからすぐにおじいさんは他界してしまったので、せっかく買ったカメラはもう使ってもらえない。でもおじいさんにはそのカメラを欲しがった理由ってのがあって、昔愛用していた高価なカメラを、おばあさんが病気をしてお金に困った時に、手放してしまったらしいのだ。おじいさんの最後の贅沢。その贅沢がおじいさんにもたらした満足感。それを考えれば、8万の買い物は安かったとさえ思える。おじいさんは最初はあきらめてたんだよね。でもおばあさんはその後押しをした。おばあさんは本当にあの時カメラを買うことに決めてよかったと思ってるに違いない。老人にとっての本当の幸せってなんだろうと思わせるドラマだった。言葉にしてしまうとそれこそ陳腐なのだけど。人間すべてがこの夫婦のように穏やかな生き方ができれば幸せなんだろうな。
孫娘やその彼氏も、急に老夫婦が泊まるという話になっても、いやな顔ひとつせず、荷物を持って送ってあげたり、一緒におばあさんが食べたいというラザニアを作ったりと、いい人ばかりだったな。ドラマってのは例えば主人公がいて悪役とか犯人とかいたりするものや、いい人ばかりが出てくるんだけど悪いことが起きたりするのが当たり前なんだけど、このドラマはいい人ばかりが出てきて悪いことなんてまったく起きなかった。まぁ悪いことといえばおじいさんが死んじゃったことくらいだけど、天寿をまっとうしてるし、人はいつかは絶対死ぬのだから、さほど悪いことじゃない。ドラマ全体に流れる優しさと穏やかさが、死すら包み込んでしまったってことなのだろうか。
なんか、生き急ぐのも若い人にとってみたら悪いことじゃないかもしれないけれど、たまにはこんなドラマを見てほっこりするのもいいんじゃないと思えた。実は老人が主人公のドラマって私は嫌いじゃなくて、緒方の「帽子」も生前に見たし、NHKの老人ドラマは結構見てる気がする。てか他の局はめったにやらないしね。やっても田村正和とか視聴率取れそうな人使ってるしね。老人ドラマのいいところは、例えば恋愛がテーマだとしても、若い人のような生々しい感じにならないところがいい。なんかもうね、やっただやらないだ、できただできてないだとか、どうでもいいよ。( ゚Д゚)マンドクセー 時代は老人だな。

1月期ドラマファーストインプレッション 追加2009/02/19

●トライアングル フジテレビ火曜夜10:00~
25年前に小学4年生の女の子が殺された。女の子の同級生でインターポールの職員である郷田が、地元の警察署に研修の名目で訪れた時から、10年前に時効を向かえたその事件が再び動き始める。登場人物も多いしガンガン話が進むので、次が気になるドラマ。年寄りドラマと違って、一瞬のカット割りにも伏線が張ってあるので、目が離せない。キャスティングはほんとに豪華。普通なら主役をはれる俳優さんたちが目白押し。でもなぜか視聴率はイマイチな感じ。脚本が悪いわけでもないし、なんなんだろ。35歳の設定の郷田を41歳の江口がやってるからかなw

おくりびと2009/02/27

昨日は親戚のお葬式に参列してきました。おとといは親戚のお通夜だったんですが、斎場の場所が遠いので、実家から出棺する時にお別れをしてきました。「おくりびと」のアカデミー外国映画賞受賞で、今葬儀は注目のイベントですが、それらしい人はいたけれども、映画のような感じではなかったですね。物腰はすごく柔らかかつきびきびとしておりましたけども。遺族の意思を尊重しながらも、葬儀の段取りをしっかり伝え、少しでも遺族がどうしたらいいんだろうと悩むことがないよう、細心の気遣いをしているように見えましたが、手馴れているようにも見えましたね。まだらハゲな感じのどこにでもいそうなおっさんで、残念ながらモックンのようなイケメンでもありませんでしたし。まぁ、現実なんてこんなもんだわな。
そもそも、遺族とか、ご近所の人でない限り、納棺士の仕事は見れないものです。普通はいきなりお葬式か、お通夜とお葬式だけでしょ。すでに仏さんは納棺されちゃってる状態ですよね。私の祖母の時すら、亡くなったのは病院で、そこから家に戻ることなく斎場に運ばれましたから、納棺士を見ることはありませんでした。斎場にいたのかもしれませんけど、いちいち自分が納棺士ですとか言うことはないですし、そもそも地域によっていろいろ習慣が違うでしょうから、私の住んでるとこに納棺士という肩書きを持つ人がいるのかどうかも定かではありません。
ちなみに今回初七日はお葬式当日にはしませんでした。遠方からかけつけてくる人のために最近は初七日もお葬式の日にやっちゃうことが多いんですけどね。田舎のことですから、伝統を忠実に守ったのかもしれないですね。