2023年1月期ドラマ展望 ― 2022/12/14
2023年1月期の新ドラマ情報です。
期待度 ■■■…絶対見る ■■…見ると思う ■…多分見ない なし…絶対見ないor残念ながら見れない
月曜
●女神(テミス)の教室 ~リーガル青春白書~ フジテレビ 月曜夜9時~
出演:北川景子 山田裕貴 南沙良 高橋文哉 前田旺志郎 前田拳太郎 河村花
ジャンル:[学園][リーガル][原作なし]
期待度 なし
●罠の戦争 フジテレビ 月曜夜10時~
出演:草薙剛 井川遥 杉野遥亮 小野花梨 高橋克典 片平なぎさ 岸部一徳
ジャンル:[政治][復讐][原作なし]
期待度 なし
●すきすきワンワン! 日テレ 月曜深夜12時59分~
出演:岸優太 浮所飛貴 伊藤篤志
ジャンル:[動物][青春][ジャニーズ][原作なし]
期待度■
火曜
●星降る夜に テレビ朝日 火曜夜9時~
出演:吉高由里子 北村匠海 千葉雄大 猫背椿 長井短 光石研 水野美紀 ディーン・フジオカ
ジャンル:[恋愛][年の差][大石静脚本]
期待度 なし
●大奥 NHK 火曜夜10時~
出演:堀田真由 仲里依紗 冨永愛 福士蒼汰 山本耕史 中島裕翔
ジャンル:[時代劇][原作あり][公式サイト未公開]
期待度 なし
●夕暮れに、手をつなぐ TBS 火曜夜10時~
出演:広瀬すず 永瀬廉 川上洋平 松本若菜 田辺桃子 伊原六花 内田理央 酒向芳 夏木マリ
ジャンル:[恋愛][音楽][原作なし]
期待度 なし
●夫を社会的に抹殺する5つの方法 テレ東 火曜夜12時30分~
出演:馬場ふみか 野村周平
ジャンル:[サスペンス][復讐][原作あり]
期待度 なし
●ブラザー・トラップ TBS 火曜深夜12時58分~
出演:久間田琳加 山中柔太朗
ジャンル:[恋愛][年下男子][原作あり]
期待度 なし
水曜
●相棒 season21 テレビ朝日 水曜夜9時~
(継続)
●リバーサルオーケストラ 日テレ 水曜夜10時~
出演:門脇麦 田中圭 瀧内公美 坂東龍汰 前野朋哉 行平あい佳 濱田マリ 平田満
ジャンル:[音楽][クラシック][原作なし]
期待度 なし
●スタンドUPスタート フジテレビ 水曜夜10時~
出演:竜星涼 小泉孝太郎 反町隆史
ジャンル:[ビジネス][ヒューマン][原作あり]
期待度■
●来世ではちゃんとします3 テレビ東京 水曜深夜12時30分~
出演:内田理央 太田莉菜 小関裕太 後藤剛範 飛永翼
ジャンル:[恋愛][性][シリーズ][原作あり]
期待度 なし
●それでも結婚したいと、ヤツらが言った。 テレビ東京 水曜深夜1時~
出演:鈴木ゆうか 福山翔大 優希美青 西岡星汰 久保田磨希 濱津隆之
ジャンル:[結婚][ネズミ][ファンタジー][原作なし]
期待度 なし
木曜
●警視庁アウトサイダー テレビ朝日 木曜夜9時~
出演:西島秀俊 濱田岳 上白石萌歌
ジャンル:[刑事・警察][原作なし]
期待度■■
●忍者に結婚は難しい フジテレビ 木曜夜10時~
出演:菜々緒 鈴木伸之 勝地涼 山本舞香 吉谷彩子 ともさかりえ 古田新太 市村正親
ジャンル:[夫婦][忍者][コメディ][原作あり]
期待度■
●しょうもない僕らの恋愛論 日テレ 木曜夜11時59分~
出演:眞島秀和 中田青渚 矢田亜希子
ジャンル:[恋愛][原作あり]
期待度 なし
●ヒヤマケンタロウの妊娠 日テレ 木曜夜12時29分~
出演:斎藤工 上野樹里 筒井真理子 岩松了 高橋和也 宇野祥平 山田真歩 リリー・フランキー
ジャンル:[ファンタジー][出産][コメディ][原作あり]
期待度 なし
金曜
●機捜235(仮題) テレ東 金曜夜8時~
出演:中村梅雀 平岡祐太 山本未來 須賀健太 東根作寿英 安座間美優 榎木孝明
ジャンル:[刑事・警察][2サス][原作あり]
期待度 なし
●100万回 言えばよかった TBS 金曜夜10時~
出演:井上真央 佐藤健 シム・ウンギョン 松山ケンイチ
ジャンル:[恋愛][ファンタジー][幽霊][原作なし]
期待度 なし
●リエゾン-こどものこころ診療所- テレビ朝日 金曜深夜11時15分~
出演:山崎育三郎 松本穂香 栗山千明
ジャンル:[医療][発達障害][原作なし]
期待度■
●今夜すきやきだよ テレビ東京 金曜深夜12時12分~
出演:蓮佛美沙子 トリンドル玲奈
ジャンル:[ジェンダー][女性][原作あり]
期待度 なし
●花嫁未満エスケープ 完結編 テレビ東京 金曜深夜12時52分~
出演:岡崎紗絵 井上祐貴 美山加恋 小林涼子 松村沙友理 中川大輔 浅香航大
ジャンル:[恋愛][シリーズ][ドラマオリジナル][原作あり]
期待度 なし
土曜
●探偵ロマンス NHK 土曜夜10時~
出演:濱田岳 石橋静河 泉澤祐希 森本慎太郎 岸部一徳 大友康平 尾上菊之助 草刈正雄
ジャンル:[探偵][江戸川乱歩][原作なし]
期待度■■
●大病院占拠 日テレ 土曜夜10時~
出演:櫻井翔 比嘉愛未 ソニン 白洲迅 宮本茉由 ぐんぴぃ
ジャンル:[サスペンス][アクション]
期待度 なし
●ハマる男に蹴りたい女 テレビ朝日 土曜夜11時~
出演:藤ヶ谷太輔 関水渚
ジャンル:[恋愛][コメディ][ジャニーズ][原作あり]
期待度 なし
●6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱 テレビ朝日 土曜夜11時30分~
出演:高橋一生 本田翼 橋爪功
ジャンル:[花火][ファンタジー][幽霊][原作なし]
期待度■
●わたしの夫は―あの娘の恋人― BSテレ東 土曜深夜0時~
出演:山下リオ 泉澤祐希 紺野彩夏 佐伯大地
ジャンル:[夫婦][不倫][原作あり]
期待度 なし
日曜
●どうする家康 NHK 日曜夜8時~
出演:松本潤 岡田准一 有村架純 ムロツヨシ 野村萬斎 北川景子 松嶋菜々子 阿部寛
ジャンル:[歴史][戦国][大河ドラマ][ジャニーズ][原作なし]
期待度■■
●Get Ready TBS 日曜夜9時~
出演:妻夫木聡 藤原竜也 松下奈緒 日向亘 藤原竜也
ジャンル:[医療][原作なし][堤幸彦演出]
期待度■
●我らがパラダイス BSプレミアム 日曜夜10時~
出演:木村佳乃 高岡早紀 堀内敬子 橋本じゅん 渡辺正行 木野花 近藤公園 原沙知絵
ジャンル:[社会派][介護][公式サイト未公開][原作あり]
●ブラッシュアップライフ 日テレ 日曜夜10時半~
出演:安藤サクラ
ジャンル:[タイムリープ][ヒューマン][コメディ][バカリズム脚本]
期待度■
●親友は悪女 BSテレ東 日曜夜11時30分~
出演:清水くるみ 山谷花純
ジャンル:[恋愛][友情][原作あり]
期待度 なし
その他
●舞い上がれ! NHK 月~土曜朝8時~
(継続)
●ワタシってサバサバしてるから NHK 月~木曜夜10時45分~
出演:丸山礼
ジャンル:[コメディ][原作あり]
期待度 なし
●超人間要塞ヒロシ戦記 NHK 月~木曜夜10時45分~
出演:高山一実 豆原一成 山之内すず
ジャンル:[恋愛][SF][コメディ][公式サイト未公開][原作なし]
期待度■
月曜 なし
火曜 なし
水曜 夜9時「相棒」
木曜 夜9時「アウトサイダー」
金曜 なし
土曜 夜10時「探偵ロマンス」
日曜 夜8時「どうする家康」
その他なし
来期見る予定なのは正味4本と、私にしては少なめです。しかも大河以外は警察や探偵物という元々好きなジャンルに偏ってしまいました。というわけで、期待度1の作品の中からいくつか見てみるかもしれません。
世間で注目を浴びそう…というか私の好みも多分に入ってますが、久々に草薙主演の罠の戦争、人気の佐藤健が相手役の100万回言えばよかったあたりの動向が気になります。枠的には夕暮れに手をつなぐ、Get Ready、それから私も見る予定のアウトサイダーあたりもそこそこ稼ぐかも。何が化けるか分からないのはいつものことですが、恋愛ドラマが多すぎてそれぞれが食い合って、亀山が復帰した相棒の1人勝ちもあり得ます。視聴率には結びつかないかもしれませんが、大奥は注目度が高いので話題になりそうです。
あと関係ないですが、来期はジャニタレ出演のドラマが少なめです。ジャニーズもジャニー喜多川氏の死去から相大物グループの解散や人気タレントの退所が相次いだため、少し求心力を失っているかもしれませんね。去って行った主役級タレントの代わりをどうしようか四苦八苦しているイメージです。一口にジャニタレと言ってもいろんなタイプの人がいますからね、演技さえ上手なら何も言うことはないのですが…
2022年10月期ドラマ総決算 ― 2022/12/26
2022年10月期のドラマ総決算です。今月はまだ独偏賞のノミネートと発表が残ってます。
ドロップアウト組
※該当作品なし
佳作ショートドラマ
●ジャパニーズスタイル テレビ朝日 土曜夜11時30分~
シットコムという触れ込みだったが、実際はスタジオに作った舞台での演劇形式。今まで見たなかで一番近いのは「お江戸でござる」。セットは宿屋の玄関1か所のみだが、ストーリーがわりと起伏に富んでいて、笑いよりも演技で見せるタイプの劇だった。もう少しお笑いに傾いていてよかったように思う。あと主人公の性格がそこそこクズで、ストーリー重視としてもあまり思い入れができなかったのも残念。
※主演男優賞
●7位
科捜研の女 2022 テレビ朝日 火曜夜9時~
木8枠から新ドラマ枠の火9に移り、装いも新たに以前よりトレンドを意識した感じになったが、科捜研は科捜研。渡部秀が卒業して新たに小池徹平が加わった。おなじみのBGMもアレンジが変わったが、音楽担当は同じスタッフなので全体的な雰囲気はあまり変わらず。枠が変わったことで視聴率は以前より落ちたり、今期で終わるとの噂を聞いたりもしたが、調べたところ続行する模様。このドラマの面白さは科学捜査にあるので、このまま突き進んで欲しい。
木8枠から新ドラマ枠の火9に移り、装いも新たに以前よりトレンドを意識した感じになったが、科捜研は科捜研。渡部秀が卒業して新たに小池徹平が加わった。おなじみのBGMもアレンジが変わったが、音楽担当は同じスタッフなので全体的な雰囲気はあまり変わらず。枠が変わったことで視聴率は以前より落ちたり、今期で終わるとの噂を聞いたりもしたが、調べたところ続行する模様。このドラマの面白さは科学捜査にあるので、このまま突き進んで欲しい。
●6位
オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ NHK 火曜夜10時~
前シーズンの続きだが、合計しても6回という短さ。それはいいのだが、とにかくキャスティングが豪華、ストーリーもあってなきが如しのコメディで、ドラマというよりお祭り騒ぎを見ている感じ。キャスト的にはどうしても時効警察を思い浮かべる人も多いと思うが、あのわけのわからなさはどちらかというと熱海の捜査官寄り。そして多分一番似ているのはツインピークスで、オリバーから笑いを取ったらツインピークスになる。警察ドラマやミステリーを期待して見ると見事に裏切られる。私は嫌いではないけれど、人を選ぶドラマ。
前シーズンの続きだが、合計しても6回という短さ。それはいいのだが、とにかくキャスティングが豪華、ストーリーもあってなきが如しのコメディで、ドラマというよりお祭り騒ぎを見ている感じ。キャスト的にはどうしても時効警察を思い浮かべる人も多いと思うが、あのわけのわからなさはどちらかというと熱海の捜査官寄り。そして多分一番似ているのはツインピークスで、オリバーから笑いを取ったらツインピークスになる。警察ドラマやミステリーを期待して見ると見事に裏切られる。私は嫌いではないけれど、人を選ぶドラマ。
※ネタドラマ賞
●5位
ザ・トラベルナース テレビ朝日 木曜夜9時~
ドクターXの中園ミホ筆だけあって、安定感のある医療ドラマに仕上がっていた。逆に言えば意外性がなくて少し物足りなかった。看護師2人が主人公なのに、2人とも男性なのは最後まで違和感があった。設定上親子ほど年が離れていなければならないのは理解できるが、どちらかが女性でもよかったように思う。特に日本では高齢の男性ナースは非常に珍しいのではないだろうか。少なくとも私は見たことがない。2人の過去の接点もちょっと弱い気がした。
ドクターXの中園ミホ筆だけあって、安定感のある医療ドラマに仕上がっていた。逆に言えば意外性がなくて少し物足りなかった。看護師2人が主人公なのに、2人とも男性なのは最後まで違和感があった。設定上親子ほど年が離れていなければならないのは理解できるが、どちらかが女性でもよかったように思う。特に日本では高齢の男性ナースは非常に珍しいのではないだろうか。少なくとも私は見たことがない。2人の過去の接点もちょっと弱い気がした。
●4位
霊媒探偵・城塚翡翠
invert 城塚翡翠 倒叙集 日テレ 日曜夜10時半~
当初は主人公が霊感をもとに事件を解決していくファンタジックなミステリーかと思いきや、見事に裏切られた。このどんでん返しは原作を読んだことがある人しか分からなかったのではないだろうか。ただ、invertになってからの主人公のキャラクターが弱かったのは残念。霊感探偵の時の方が清原には似合っていたし、後半は少し無理をしている感が拭えなかった。ミステリーとしては平均点、ストーリーは高得点、キャラ付けは平均を割っていた。他にも印象的なキャラはおらず、オーソドックスな味付だったのは残念。
invert 城塚翡翠 倒叙集 日テレ 日曜夜10時半~
当初は主人公が霊感をもとに事件を解決していくファンタジックなミステリーかと思いきや、見事に裏切られた。このどんでん返しは原作を読んだことがある人しか分からなかったのではないだろうか。ただ、invertになってからの主人公のキャラクターが弱かったのは残念。霊感探偵の時の方が清原には似合っていたし、後半は少し無理をしている感が拭えなかった。ミステリーとしては平均点、ストーリーは高得点、キャラ付けは平均を割っていた。他にも印象的なキャラはおらず、オーソドックスな味付だったのは残念。
●3位
拾われた男 NHK 火曜夜10時~
俳優・松尾諭の自叙伝の映像化作品。ディズニープラスで配信された後にNHK地上波で放映された。前半は松尾の青春ドラマ、後半は松尾家のファミリードラマになっていた。松尾自身も出演していたが、ドラマ部分の主役は仲野太賀で、正直見た目は似ていないが、仲野の演技力が凄まじく、たまに本当に松尾本人に見えることがあった。筋書きは実話なのでそこそこのサクセスストーリーだったが、軽妙な演出とキャラクターで深刻になりすぎずポップに仕上がっていた。
俳優・松尾諭の自叙伝の映像化作品。ディズニープラスで配信された後にNHK地上波で放映された。前半は松尾の青春ドラマ、後半は松尾家のファミリードラマになっていた。松尾自身も出演していたが、ドラマ部分の主役は仲野太賀で、正直見た目は似ていないが、仲野の演技力が凄まじく、たまに本当に松尾本人に見えることがあった。筋書きは実話なのでそこそこのサクセスストーリーだったが、軽妙な演出とキャラクターで深刻になりすぎずポップに仕上がっていた。
※ヒューマンドラマ賞/主演男優賞/助演男優賞(草彅剛)
●2位
親愛なる僕へ殺意をこめて フジテレビ 水曜夜10時~
当初は過激なバイオレンスばかりが目立つ典型的な青年コミック誌調のドラマかと思いきや、途中からぐいぐい展開に引き込まれた。主人公の表面が実は裏面で、途中から本来の表面しか出なくなったのは、まるで主人公が交代したような感覚に陥った…ということは、山田の演じ分けが素晴らしかったということだろう。警察関係者が途中で退陣したのは意外だったが、以降物足りなくなったことと、さんざん展開で引っ張っておいて、LLの正体がキャスティングで意外性がなかったことはちょっと残念なところ。
当初は過激なバイオレンスばかりが目立つ典型的な青年コミック誌調のドラマかと思いきや、途中からぐいぐい展開に引き込まれた。主人公の表面が実は裏面で、途中から本来の表面しか出なくなったのは、まるで主人公が交代したような感覚に陥った…ということは、山田の演じ分けが素晴らしかったということだろう。警察関係者が途中で退陣したのは意外だったが、以降物足りなくなったことと、さんざん展開で引っ張っておいて、LLの正体がキャスティングで意外性がなかったことはちょっと残念なところ。
※ミステリードラマ賞/特別賞
●1位
鎌倉殿の13人 NHK 日曜夜8時~
あまりに面白くて、途中からながら見ではなく落ち着いて見るためにビデオ視聴にしたくらい。三谷が鎌倉幕府をどう料理するかと思いきや、三谷節はそのまま、かなり骨太な歴史ドラマに仕上がっていた。三谷の大河というと新選組と真田丸だが、どちらとも滅びの美学という三谷お得意のパターンだったのに対し、こちらは確固たる幕府を築くという創成の物語なところも、私好みだったかもしれない。当初は明るく正義感の強い青年が、家のためなら身内も主も殺すような黒幕なっていったのは圧巻だった。主人公が裏なら表は北条政子だったと思うが、最後はその表が裏を見殺しにするという三谷なりの解釈も面白かった。
※大賞/時代劇・歴史ドラマ賞/主演男優賞/助演男優賞(大泉洋)/助演女優賞(小池栄子)/脚本賞(三谷幸喜)/音楽賞
あまりに面白くて、途中からながら見ではなく落ち着いて見るためにビデオ視聴にしたくらい。三谷が鎌倉幕府をどう料理するかと思いきや、三谷節はそのまま、かなり骨太な歴史ドラマに仕上がっていた。三谷の大河というと新選組と真田丸だが、どちらとも滅びの美学という三谷お得意のパターンだったのに対し、こちらは確固たる幕府を築くという創成の物語なところも、私好みだったかもしれない。当初は明るく正義感の強い青年が、家のためなら身内も主も殺すような黒幕なっていったのは圧巻だった。主人公が裏なら表は北条政子だったと思うが、最後はその表が裏を見殺しにするという三谷なりの解釈も面白かった。
※大賞/時代劇・歴史ドラマ賞/主演男優賞/助演男優賞(大泉洋)/助演女優賞(小池栄子)/脚本賞(三谷幸喜)/音楽賞
今期は圧倒的に大河。好きすぎて、1位>>>2~4位>それ以下くらいの差があります。ランクインしているドラマはどれも最後まで見たので、一定の品質は保っていたことにはなるのですが。
三谷の作品はわりとどれも好きで、古くは映画の12人の優しい日本人、大河の新選組!、連ドラの王様のレストラン等が好きでした。全部ではないですが他にも見た作品はいくつかあります。三谷の特徴として、滅びの美学もしくは創成の物語を主軸として描くことが多い所です。新選組や真田丸は前者、12人や王様のレストランなんかは後者ですね。今回の鎌倉殿の13人にはそのどちらともか取り入れられていました。前半は頼朝を中心として鎌倉幕府が創建されていく様子、後半は幕府設立に関わった御家人たちが1人、また1人と消えていく様子。結果的に鎌倉幕府はドラマが終わってからも100年続きますが、一緒に幕府を作り上げていった御家人が消えていく様は、まさに滅びの美学だったのではないかと思います。
さて他のドラマは、見るつもりはなかったドラマが大健闘しました。親愛なる僕へは起伏のあるストーリー、主人公は同じなのに前半と後半で中身が入れ替わるという目新しい展開がなかなか興味深かったです。また城塚翡翠は、当初霊感ということで、ファンタジックなストーリーなのかなと思いきや、全然ファンタジーじゃなかったところが、ミステリーファンの心をくすぐりました。ただ清原果耶のイメージが、後半になっても清純さが全然消えなかったところは、ある意味すごいですが、演技力不足に見えなくもないところが少し気にかかりました。拾われた男は松尾諭の自叙伝のドラマ化ということで、こちらも興味深く拝見させていただきました。ディズニーの制作で、予算が潤沢だったからかキャスティングがかなり豪華で、キャスティングである程度ストーリー展開が予測できるパターンがなかったところもよかったです。それに比べて5・6位及びショートドラマは期待以上の内容ではなかったのが残念でした。
全体的に見てみると、世帯視聴率の平均で大河とまだ終わっていない相棒を除くと2桁を超えたのがトラベルナースだけという散々な結果でした。もちろん現在は視聴率だけでドラマの人気を計るのは間違っているとは思いますけれど、人気のあるドラマは尻上がりに視聴率が上がってくるものなので、低調だったのは否めません。そんな中、視聴率が初回<平均<最終回の神推移だったのが、聴覚障がい者との恋愛を描いたsilent。とはいえ若い人が好むきれいなきれいな恋愛ドラマに、泥沼でもがくこちとら興味はありませんので一瞬たりとも見てません。こんなだから、恋愛ドラマが増えるわけです。
2022年独偏賞ノミネート作品 ― 2022/12/28
2022年独断と偏見によるドラマ大賞第13回ノミネート作品を発表します。
今年見た全ドラマリストは、「私が今年最終回まで見た」のが条件ですので、今見ているものでも最終回が来年のものは入っていません。また、受賞に値する作品がない場合、候補があっても該当作品なしという結果になることもあります。
■今年見た全ドラマリスト
●朝ドラ カムカムエヴリバディ NHK 月~土曜朝8時~
●1月期 ミステリと言う勿れ フジテレビ 月曜夜9時~
●1月期 相棒 season20 テレビ朝日 水曜夜9時~
●1月期 科捜研の女 Season21 テレビ朝日 木曜夜8時~
●1月期 雲霧仁左衛門5 NHK-BSP 金曜夜8時~
●1月期 しもべえ NHK 金曜夜10時~
●1月期 まったり!赤胴鈴之助 BSテレ東 土曜深夜12時~
●4月期 正直不動産 NHK 火曜夜10時45分~
●4月期 特捜9 season5 テレビ朝日 水曜夜9時~
●4月期 警視庁・捜査一課長 season6 テレビ朝日 木曜夜8時~
●4月期 探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り 日テレ 木曜夜11時59分~
●4月期 インビジブル TBS 金曜夜10時~
●4月期 妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪- テレビ朝日 土曜夜11時~
●4月期 金田一少年の事件簿 日テレ 日曜夜10時半~
●7月期 競争の番人 フジテレビ 月曜夜9時~
●7月期 魔法のリノベ フジテレビ 月曜夜10時~
●7月期 遺留捜査 テレビ朝日 木曜夜8時~
●7月期 石子と羽男-そんなコトで訴えます?- TBS 金曜夜10時~
●7月期 空白を満たしなさい NHK 土曜夜10時~
●7月期 初恋の悪魔 日テレ 土曜夜10時~
●10月期 科捜研の女 2022 テレビ朝日 火曜夜9時~
●10月期 オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ NHK 火曜夜10時~
●10月期 拾われた男 NHK 火曜夜10時~
●10月期 親愛なる僕へ殺意をこめて フジテレビ 水曜夜10時~
●10月期 ザ・トラベルナース テレビ朝日 木曜夜9時~
●10月期 ジャパニーズスタイル テレビ朝日 土曜夜11時30分~
●10月期 霊媒探偵・城塚翡翠 日テレ 日曜夜10時半~
●大河D 鎌倉殿の13人 NHK 日曜夜8時~
■大賞候補
●1月期 ミステリと言う勿れ フジテレビ 月曜夜9時~
●4月期 探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り 日テレ 木曜夜11時59分~
●7月期 初恋の悪魔 日テレ 土曜夜10時~
●大河D 鎌倉殿の13人 NHK 日曜夜8時~
※総決算で1位を獲得した作品。
■ミステリードラマ賞候補
●1月期 ミステリと言う勿れ フジテレビ 月曜夜9時~
●1月期 相棒 season20 テレビ朝日 水曜夜9時~
●4月期 探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り 日テレ 木曜夜11時59分~
●7月期 石子と羽男-そんなコトで訴えます?- TBS 金曜夜10時~
●10月期 親愛なる僕へ殺意をこめて フジテレビ 水曜夜10時~
■コメディー賞候補
●1月期 しもべえ NHK 金曜夜10時~
●4月期 探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り 日テレ 木曜夜11時59分~
■ヒューマンドラマ賞候補
●1月期 カムカムエヴリバディ NHK 月~土曜朝8時~
●4月期 正直不動産 NHK 火曜夜10時45分~
●10月期 拾われた男 NHK 火曜夜10時~
■恋愛・ホームドラマ賞候補
●7月期 初恋の悪魔 日テレ 土曜夜10時~
■時代劇・歴史ドラマ賞候補
●1月期 雲霧仁左衛門5 NHK-BSP 金曜夜8時~
●大河D 鎌倉殿の13人 NHK 日曜夜8時~
■ショートドラマ賞候補
●1月期 まったり!赤胴鈴之助 BSテレ東 土曜深夜12時~
●4月期 妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪- テレビ朝日 土曜夜11時~
●10月期 ジャパニーズスタイル テレビ朝日 土曜夜11時30分~
■ネタドラマ賞候補
●1月期 まったり!赤胴鈴之助 BSテレ東 土曜深夜12時~
●4月期 警視庁・捜査一課長 season6 テレビ朝日 木曜夜8時~
●10月期 オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ NHK 火曜夜10時~
■特別賞候補
●1月期 ミステリと言う勿れ フジテレビ 月曜夜9時~
●4月期 探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り 日テレ 木曜夜11時59分~
●4月期 正直不動産 NHK 火曜夜10時45分~
●7月期 石子と羽男-そんなコトで訴えます?- TBS 金曜夜10時~
●10月期 親愛なる僕へ殺意をこめて フジテレビ 水曜夜10時~
■主演男優賞候補
菅田将暉(ミステリと言う勿れ)
滝藤賢一(探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り)
山下智久(正直不動産)
林遣都(初恋の悪魔)
小栗旬(鎌倉殿の13人)
仲野太賀(拾われた男)
■主演女優賞候補
深津絵里(カムカムエヴリバディ)
広瀬アリス(探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り)
杏(競争の番人)
■助演男優賞候補
永山瑛太(ミステリと言う勿れ)
桐谷健太(インビジブル)
阿部サダヲ(空白を満たしなさい)
草彅剛(拾われた男)
大泉洋(鎌倉殿の13人)
■助演女優賞候補
白石聖(しもべえ)
水野美紀(探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り)
松岡茉優(初恋の悪魔)
小池栄子(鎌倉殿の13人)
■脚本賞候補
坂元裕二(初恋の悪魔)
藤本有紀(カムカムエヴリバディ)
三谷幸喜(鎌倉殿の13人)
■音楽賞候補
●1月期 ミステリと言う勿れ フジテレビ 月曜夜9時~
●1月期 しもべえ NHK 金曜夜10時~
●4月期 金田一少年の事件簿 日テレ 日曜夜10時半~
●7月期 初恋の悪魔 日テレ 土曜夜10時~
●大河D 鎌倉殿の13人 NHK 日曜夜8時~
2022年独断と偏見によるドラマ大賞 第13回 ― 2022/12/31
今年はコロナ禍に加えて戦争、暗殺、円安と様々な困難に見舞われた1年でした。コロナ禍以来初めて行動制限のない年末年始となり、感染者は増え続け、あまり心からおめでとうと言う気になれませんが、こんな中、何とか年を越すことができそうな自分に、おめでとうと言いたいです。
私はと言えばいろいろと忙しく、以前のようにドラマの感想を毎回書くことはできないのですが、毎シーズンの情報とランキング、そしてこの独偏賞は絶やさないよう、暇を見て編集しました。それではどうぞご覧ください。
■ミステリードラマ賞
ミステリと言う勿れ (1月期)
腐っても月9の若い人向けの演出や青春ドラマっぽい雰囲気で、いい意味でミステリーの範疇に入らない出色の出来でした。
■コメディー賞
探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り (4月期)
コメディー調のドラマは数あれど、コメディーとはっきり呼べるドラマが少ない中、ミステリーの皮をかぶった愉快な正調コメディーでした。
■ヒューマンドラマ賞
正直不動産 (4月期)
いわゆるお仕事ドラマでしたが、不動産の知識や、ファンタジックな設定が印象的でした。山下のジャニ退所後初の連ドラ主演ということで話題にもなりました。
■恋愛・ホームドラマ賞
初恋の悪魔 (7月期)
警察が舞台になることが多くどちらかというとミステリーに入るのかもしれませんが、4人の主人公たちの青春群像劇でもあったため、こちらに。
■時代劇・歴史ドラマ賞
鎌倉殿の13人 (大河ドラマ)
元々三谷幸喜は好きですが、今年の大河は期待以上の出来で、文句のつけようがありませんでした。
■ショートドラマ賞
まったり!赤胴鈴之助 (1月期)
深夜ドラマらしいバカらしさもここまで突き抜ければ上等。演技のプロが本気でおちゃらけたらどんなドラマになるのか、見ることができました。
■ネタドラマ賞
警視庁・捜査一課長 season6 (4月期)
残念ながら木8がドラマ枠でなくなるのとともに、シリーズも終了。もう最後にはこれは刑事ドラマなの?と思うようなとんでもない筋書きや演出ばかりでした。
■特別賞
親愛なる僕へ殺意をこめて (10月期)
勢いが出るのが遅かったけれど、勢いに乗ってからは毎回展開にハラドキしながら見てました。
■主演男優賞
仲野太賀(拾われた男)
演技力がとにかく凄まじいです。今年は他にも複数の主演作に恵まれ、合わせ技での受賞のようなもの。これからにも大いに期待しています。
■主演女優賞
広瀬アリス(探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り)
今年は人気絶頂の時期に体調を崩し休養していましたが、来年の大河で復帰するようで何よりです。
■助演男優賞
大泉洋(鎌倉殿の13人)
受賞させる必要がないくらい大物俳優ですが、雅で色を好み冷徹な面もあるのにどこか人好きのする難しい役は、彼以外なかなか演じられるものではないと思います。
■助演女優賞
小池栄子(鎌倉殿の13人)
初回から最終回まで出演し、圧倒的な存在感を誇り、悩んだり悔いたりしながら幕府を、主人公を支えるという重要な役を演じ切りました。
■脚本賞
三谷幸喜(鎌倉殿の13人)
教科書に載っている鎌倉幕府の成立を、彼の個性を失わずドラマチックに仕立てた手腕は、これからも期待しているとしか言いようがありません。
■音楽賞
初恋の悪魔 (7月期)
毎回…ではないと思うのですが、ジャズ調のオシャレな主題曲が回によって変化したのは印象的でした。
◎◎◎ 大賞 ◎◎◎
鎌倉殿の13人
ご覧になっていた方なら、誰もこの結果に異論を唱える方はいらっしゃらないと思います。三谷大河はこれで3度目、新選組!も好きでしたが、今回は本当に素晴らしかったです。それぞれのキャラクターが魅力的なのは当たり前、創成の物語と滅びの美学の両方が味わえたのはお得感がありましたし、正義感の強い従順な青年がいつのまにやら悪人面の黒幕になっていたのも印象的。あまりテレビドラマでは見ない顔の演者に人気が出たり、コロナ禍の中、鎌倉が観光ブームに湧いたりと、話題にも事欠きませんでした。
【総評】今年は話題になったドラマこそあれ、いわゆるオバケドラマのような視聴率もともなう皆が見ていたドラマというのはなかったように思います。それだけに、三谷大河の健闘が目立った年になりました。大河のすばらしさについてはあちこちで書いたのでここでは繰り返しませんが1つだけ、大河というと大体戦国時代が鉄板で、戦国と維新期を交互にドラマ化していたような状態の中、鎌倉時代という難しい時代でここまで盛り上がったのもすごいと思います。結果、なるべく受賞作をバラけるようにしたつもりだったのですが、蓋を開けてみると大賞含め5部門を大河が独占するという形になってしまいました。初恋の悪魔も年間ランキングをつけるとしたら恐らく2位にするくらいは好きだったのですが、こちらは受賞作をバラけさせたのが裏目に出てしまい、2部門に終わりました。ショートドラマとネタドラマ以外の受賞作は、誰にも勧められるいいドラマばかりです。少しばかりミステリーやコメディに偏っているところが、いかにも独偏賞ではあるのですが。
昔、と言ってもそれほど昔でもない昔には、ご飯を食べ終わり、さあテレビを見るぞ!という時間がとれたものですが、今は食事をしながら、片付けをしながら、パソコンをつつきながらと、ながら見しかできなくなってしまいました。ただTVerだの24時間録画機だの視聴環境は昔よりずいぶん整っているため、来年もよほどのことがなければ今年同様のペースでドラマを見ることができると思います。今年のドラマを見終わり、もう来年のドラマが楽しみです。とりあえずクドカンの新春SPドラマが気になってます。ドラマ好きに終わりはないですね。
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